「戦後レジューム」からの脱却

●朝日新聞がついに、これまでの慰安婦報道での誤報を一部認めた5日付けの朝刊は驚きだった。どうして今になってこのような報道に至ったのかは知る由もないし、遅きに失した感はいなめないが、事実を報道する姿勢に目覚めたのは素晴らしいことだ。内容は若干言い訳がましいところがあり、クライアントの危機管理専門の友人によれば「好感度は30点かな」と手厳しいものだった。政治家ならばここで当然のように責任問題を追及されるのだが、マスコミや芸能界(覚せい剤の使用なんて、通常の社会では永久追放だよ)は体質が甘いから。どうなることか。

●集団的自衛権に対する国民の理解が深まらない。政府の説明が不十分との指摘もあるが、果たして本当にそうなのか。8月6日が何の日か知らない、さらには太平洋戦争で日本が米国と戦争をしたことすら「へえ~ん。それでどっちが勝ったの」なんていう輩には、どう説明しても難しいに決まっている。簡単に「あなた、或はあなたが大切にしている人が暴漢に襲われそうなときに、あなたはどうしますか」と問えばいい。「話せば分かる」なんて悠長な時間はないし、「その場から逃げる」なんていう答えでは自分だけ助かっても一生涯友人は出来ないだろう。一国平和ボケした国民に、もう一度大切なことを考えてもらうーそれが真の「戦後レジーム」からの脱却ではないのか。

●大分県教組は「親子で学ぶ韓国平和の旅」を実施した。親子2人30組を募集、2泊3日で韓国を訪れた。費用は1組25,000円。一部は教職員組合が負担したらしい。訪問先には「日本軍『慰安婦』記念館」や「安重根記念館」が含まれていた。いったいこの企画は平和の何を教えたのだろうか。それも教組が主催だよ。 大きな問題が3点指摘された。①旅行業者以外が申し込みを受け付け、旅行代金を収受する行為は違法ではないのか②そもそも教職員(公務員)がこのような行為をしてよいのか③そしてなによりも、いったい訪問場所で子供たちに何を教えたのか。結果、①番はアウト。②③番はセーフなのだと文科省は言う。日本人として、このやり切れない思い。大分県を第二の故郷として誇りに思っていたのに裏切られた気分だ。これは何とかしなければ……。