「政局の要に衛藤晟一あり」ー。政治ジャーナリストの私は、自民党の衛藤先生についてこう教えられてきた。小選挙区導入の際、衛藤先生が涙ながらに声を上げた自民党総務会での名演説や、自社さ政権時代の活躍は、知る人ぞ知るエピソードの連続である。
衛藤先生は、この四半世紀の間、徐々に劣化してきた日本政治を元に戻す鍵となる第一人者の政治家である、と私は考えている。
表舞台では決して目立たないが、衛藤先生が懸命に活躍した自民党政権時代の厚労行政には、日本の伝統的な精神性である「利他の心」と「慈悲の心」があった。そして、その背景には日本人それぞれがプライドを持つ「自立心」や「日本人の絆」があった。
いま、民主党政権は、外国人を含む財源の裏打ちのない子育て支援を実行し、日本社会の根幹を揺るがす夫婦別姓法案や外国人参政権法案を国会で通過させようとしている。そこには日本人自身が日本人として、将来の子供たちに誇ることができるプライドがない。 政治家として極めて無責任であり、これまで日本人同士が培ってきた「絆」は崩れる一方だ。もう一度、衛藤先生に「良き日本の姿」を取り戻してもらう絶好の機会なのである。
フリージャーナリスト
山村 明義さん